Setca. vs. DJ Raisei
夢は突然途切れてしまう
まるで飛行機雲のように
空を目指した手が覚えている
動きだけは消えてくれなくて
追いかけていたはずの光は
雑踏に紛れ消えていく
「蜃気楼が好き」と嘯いた
君の顔が浮かんだ
この胸の隙間を満たすため
情報の海に溺れても
指をすり抜けた夢のことは
今も恨めしくて
胸の痛みを噛みしめるために
今は叫ぶことしかできなくて
青に摩天楼を敷き詰めている
空を突き刺した
陽炎に抱かれた僕を呼ぶ
誰かの声を聞いた気がした
途切れた夢の残像が
まぶたの裏で揺れる
君が僕の鏡なら
祈るだけでも構わないから
共に空を見上げてよ
きっとそれだけで進めるから
逃げた先で見つけた未来は
案外居心地が良いから
どこか押し付けられた気がして
あまり好きにはなれない
変わるものを追い求めすぎて
自分を見失ううちに
いつしか丸めていた背中を
少しだけ正した
遠く空を覆う雲のことも
やがて受け入れられるのだろうか
黒い指を伸ばす影法師が
土に溶けていく
雨の匂いがこびりついた
街で君は僕を抱きとめる
うたかたの夢の残響が
耳の奥で軋んだ
膝をついて折れかけていた
僕の言葉に意味があるなら
せめて君に届けたいと
もう一度空に手を伸ばした
未完成な僕を積み重ねて
空への憧れに追いついた
大きく息を吸い込んで
僕はここだと叫ぶ
君が僕と同じなら
共に歩みたいと願うから
強くこの手を握ってよ
やがて残像をかき消すまで!
Original BMS